翌朝、目覚めて時計を見るとまだ朝5時でした。
少し早いのですが「2度寝」すると体のリズムが崩れてしまうので
このまま起きることにしました。
窓の外に目をやるとちょっとした異変に気が付きました。
半年前は、このくらいの時間から車や人の往来が激しくなり
クラクションの音で起こされたのですが、
全くと言っていいほど車も人もいません。
「今日は休日だっけ」と思わせるほどでした。
この変化はこの時だけではなかった事があとになって判ってくるのです。
5時から朝食のレストランが開くまで1時間ストレッチをして体を起こしました。
レストランの窓から展示会場が見えました。
朝食はたっぷり昼の分まで2食分とります。
何が起こるかわからないので念のため。
会場のレセプションでチェックインを済ませ展示会場へ。

朝早いのか全然人がいません。
前回は、開場時間前にレセプションに行列が出来、
開場とともに人がなだれ込むという感じでした。
その後も前回のように人は増えませんでした。

人が少ないので見やすくていいのですが、なにか少し違います。
なにかが違っているのです。
なにか、何を見てもピンと来る物がありません。
「バイヤーとしてここはどうするんだ」
飛行機でここまで来て経費が無駄になってしまいます。上司の
「わざわざ富士山、あたまから撮るために飛行機に乗せたわけじゃない」
という声が聞こえてきます。
全体の半分を2時間で見てしまいました。
印象に残るものはありません。
だんだんあせってきました。
「どんなものでもいい。値段で勝負できる商品見つけて旅費くらい稼げ。」
「デッドボールでもいいから塁に出ろ。」と背中を押されています。
「まずい、なに見てもみんなおなじに見えてきたぞ。」
体調がわるいのか、感覚が鈍ったのか。
あせればあせるほど商品が見つかりません。
なんと午前中に大きなホールを見終わってしまいました。
いまのところ収穫ゼロ。
バスで別のホールに移動する事にしたのですが、
驚く事に誰も待っていません。
バスのウェイティングの数が10台以上ありました。
前回、ブログで紹介したように通常すごい人数がバスの入口に殺到して
争奪戦になっているはずでした。
それがこの大型バスに数名です。
バスは他の乗客を待つわけでもなく別のパヴィリオンに向かいました。
僕は、運転手の横、一番前の席に座りました。
降りやすいという理由だけです。
それでもまた驚きの光景を見ました。
この通りは家具大通りと呼ばれるくらい
左右に無数の大小のメーカーがひしめき合い、
道路はトラック、海上コンテナのトレーラー、一般車が大渋滞を作り、
人々がいそがしそうに往来していました。
半年前の話です。
信号で止まると車が数台です。
おかげでいつも30分かかっていたところが、5分で到着してしまいました。
別のパヴィリオンでも「これといったものはなく」
本館に戻るためバスに乗りました。
道路には車も人もいません。
半年前から較べるとゴーストタウンのようです。
取引のあるメーカーに顔を出し、商談を軽く済ませ
時間を繰り上げて次の広州の展示会に向かう決意をしました。
「ここでいくら見ても時間の無駄になる。」
それならば少しでも多くの時間を次のチャンスに費やそうと考えたからです。
東京ドーム5個分を商品を見ながら5時間で歩いた計算になります。
「未練はないのか。諦めるのが早いのでは。」と自問自答した結果、
決心し荷物を取りに行く事にしました。
ここもがらがら。
2時半の広州行きのバスに乗れば3時半には会場に到着し
レセプションを済ませ4時から閉館の6時まで2時間は見られるはずです。
それでもこのバス人がいません。
主催者が要請した有料バスなのですが
彼らの採算は全く別会計だと思います。
このため出発予定時刻を過ぎても出発しません。
乗客が集まらないからです。
30分も経過すると乗客が怒りだしました。
気持ちはわかります。
僕も早めに切り上げた意味がなくなってしまうからです。
40分待って乗客が半分くらいになったころ、
ようやくバスは広州にむけて発車しました。
1時間半くらいで広州の展示会場に到着しました。

レセプションで登録を済ませ中に入ると
東莞より人はいるものの半年前とは違って少なく感じました。
そういえば半年前にいたコンパニオンも全然みかけません。
「どうなんでしょう。こんなの。」
東莞から引きずっている「もやもや」は解消されません。
閉館まで歩き回り外に出ると露天商たちが声をかけてきます。


笑ってしまうようなものばかりなのですが、
笑っている自分がなにかはかなく感じてしまいました。
おおきなパヴィリオンも夕暮れに包まれていきます。

なんの収穫もなくその日が終わっていきました。
夜の食事は、牛肉をオイスターと醤油のソースで野菜といためたもの。
ブロッコリーのシンプルな塩とガーリックでいためたもの。(これは使えそう)
えびのワンタン麺でした。


すごくおいしかったのですが
残念ながら味がわからないほど疲れていました。
ホテルの部屋に帰りバスタブのお湯に浸かると
うっかり「うとうと」としてしまいました。
「明日にかけよう」とベッドにもぐりこんだのは
午後8時を少し回ったころで、テレビのCNNは朝までながれていました。